蒸気輸送配管のバルブ | TTS

診断事例

エア・ガスのリーク診断

蒸気輸送配管のバルブ

課題省エネのためバルブの蒸気漏れをなくしたい、具体的な蒸気漏れ金額を知りたい

具体的な蒸気漏れ金額がわかるリーク検査技術はないか

工場にあるバルブのグランド部分から、白くモヤモヤと立ち上がる湯気。湯気の原因はバルブからの蒸気漏れです。バルブの構造によっては増し締めをすれば、一時的に漏れが止まる場合もありますが、開閉操作の頻度が高いバルブでは短期間で再び漏れやすくなってしまいます。

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また、グランド部分から漏れていても見えにくい過熱蒸気ラインでは、潜在的にもっと多くの蒸気漏れが存在しているとも考えられます。

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ある石油精製プラント様では、省エネ対策の一環としてバルブからの蒸気漏れを撲滅したいと考えておられました。蒸気のリーク検査についてTLVにご相談いただき、TTSのエア・ガスリーク診断、ソニックマンサーベイを検討することになりました。

ソニックマンサーベイは、圧力を持ったガス体が低圧雰囲気に流出する際に発生する超音波を検出するため、以下のような特長をもっています。

  • 検出するガス体の種類を問わない
  • 短期間・広範囲に検査可能
  • 騒音の大きい稼働中の工場でも検査可能
  • 超音波の大きさから漏れ量、漏れ金額を定量化可能
  • 目視確認しにくい過熱蒸気も検査可能

単にバルブの蒸気漏れを発見するだけでなく、実際に漏れによりどの程度損失が出ているのか金額換算できるため、修理や交換にかかる費用等と比較し、次の保全アクションに繋げやすい点を評価し、ソニックマンサーベイの実施を決めました。

対策リーク検査で年間約80万円相当の蒸気漏れを発見

リーク検査で蒸気漏れを発見し、不良バルブをベローズバルブに交換

ソニックマンサーベイによる蒸気のリーク診断を実施した結果、バルブのグランド部からの蒸気漏れを工場全体で18箇所発見。金額で見ると、年間約80万円の蒸気漏れによる損失が発生していることが分かりました。

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この結果を受け、石油精製プラント様ではバルブのグランド部からの蒸気漏れ対策を検討。漏れの状況を定量化して金額換算し、バルブ交換時の費用と比較したところ、交換した方が経済的であるという結論に至りました。

交換するバルブには、蒸気漏れのしにくいベローズバルブ BE1を採用。このバルブは、ステム、グランド部を完全に覆う「ベローズ」を採用することにより、グランド漏れの恒久対策として非常に有効なバルブです。その後、年に1回継続して蒸気漏れ検査を実施し、新たに発生した蒸気漏れについてもベローズバルブ BE1への交換を進めました。

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効果毎年のリーク検査&ベローズバルブへの交換で蒸気漏れゼロ達成

対策の継続により5年で蒸気漏れゼロに

年に1回の蒸気漏れ検査と、不良バルブのベローズバルブBE1への交換を継続した結果、5年後の検査ではバルブグランド部からの蒸気漏れゼロを達成。

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ソニックマンによるリーク診断、ベローズバルブ BE1ともに高い評価をいただき、現在は検査結果で不良バルブが見つかった場合だけでなく、改良工事等により新規でバルブを設置する場合もベローズバルブ BE1を積極的に採用いただくようになりました。

お客様の声

「バルブから湯気が立ち上がるのが気になっていたとき、蒸気漏れによる具体的な損失金額が分かるという点が決め手となり、ソニックマンサーベイを実施しました。検査結果を見て、思っていた以上に損失額が大きかったため、すぐに対策を取りました。ベローズバルブは漏れにくく、バルブのメンテナンスや交換の手間が減少。今は工場全体で使っています。」

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