雑誌印刷用紙の抄紙機に次の問題を抱えていました。
あるドライヤーのフェルトが、通常は12週間の寿命であるにも関わらず、4週間で交換しなければなりませんでした。平行度のずれが疑われましたが、写真のように壁で覆われているため、従来の測定システムではロールへのアクセスが非常に難しい状態でした。
また、運転後のドライヤーセクションはドライヤーシリンダーの熱で高温となるため、光学式の計測システムでは光線が歪んで計測が困難でした。
更に、重要なフェルトロールが地下に設置されていました。これまで、光学式の計測システムでは、必要なミラーとプリズムの設置に非常に手間がかかり、また、修正後などの測定データの再現性がありませんでした。
そのような環境でも平行度が精度良く測定でき、熱の影響も受けないパララインを採用することとなりました。
パララインの特長の一つは、測定時間の短さです。パララインでは、このドライヤーセクションの計測を2時間以内で完了し、地下のフェルトロールも同日に計測しました。
測定後すぐに結果の側面図でずれを確認できるため、抄紙機のメンテナンス部門の方と一緒に、いくつかのアライメント修正の方策をシミュレートし、費用効果分析に基づいて、一つの修正シナリオが選択されました。
同じ日に、メンテナンスチームは、ガイドロールやテンションロールを含むいくつかのロールの修正を実施しました。修正結果は、即座にパララインによる再測定で確認されました。
パラライン測定サービス実施後数ヵ月が経ち、フェルトに曲がりや摩耗がないことが確認され、フェルトの寿命が通常の長さまで延びました。下図は、平行度修正前後の側面図です。ロール平行度が明らかに改善されているのが確認できます。