球形タンク脚柱の耐震補強工事 | TTS

診断事例

付帯工事・前処理なく金属腐食をスクリーニング

球形タンク脚柱の耐震補強工事

課題耐震補強工事に着手したところ想定外の腐食が見つかり工事中断、工期と予算大幅変更

タンク脚柱の耐火被覆解体中に腐食を発見し、工事中断、段取り替えと急な人員確保に大混乱

球形タンク脚柱の耐震補強工事が行われることになりました。工事を開始し、鋼製の脚柱の耐火被覆を解体したところ複数の脚柱に想定外の腐食を発見。

球形タンク脚柱の耐震補強工事

耐震補強工事の前に腐食箇所の補修工事をしなければならず、この予定外の工事のために工程と工期に大幅な変更が生じました。大規模な補修工事の追加発生で、段取り替えと急な追加人員の確保のため工事は一時中断。工期は大きく遅れ、当初予定していた予算もはるかにオーバーしてしまいました。

耐震補強工事の前に腐食箇所の補修工事をしなければならず、この予定外の工事のために工程と工期に大幅な変更が生じました。

対策パルス渦流を用いた金属腐食のスクリーニング技術で、被覆解体前に全脚柱を検査

被覆の上から検査可能なスクリーニングを実施し、耐震補強工事前に腐食箇所を把握

翌年の耐震補強工事計画を立てる際、前回の反省を踏まえて、工事計画に変更が生じないよう事前に腐食箇所を把握する方法を検討。以前、同工場内でタワースカート部の腐食検査に採用されたPEC(Pulsed Eddy Current:パルス渦流探傷)が候補として挙がりました。

タワースカート部の腐食検査の際にスクリーニングとしての精度も検証済みで、「耐火被覆の上から検査可能」「足場不要」など以下の点が評価され、事前検査としてのPECの適用を決定しました。

  • 耐火被覆を剥離解体せず、耐火被覆の上から脚柱の板厚を測定可能
  • 延長ポールを活用すれば、6mの高さまでの足場の施工不要で、6m以上の場合も低床の足場を施工すれば全体検査が可能
  • 運転中でも検査可能
  • その場でデータが確認できるため、緊急対応の要否をその場で判断可能

被覆の上から検査可能なスクリーニングを実施し、耐震補強工事前に腐食箇所を把握

 

効果計画通りの工期と予算で、タンク脚柱の腐食の補修工事と耐震補強工事を完了

被覆の解体前に脚柱の腐食状態を把握でき、効率的なスケジュールで工期・費用の無駄を削減

耐震補強工事にあたって、PECによる事前の腐食検査を計画。PECによって運転中に耐火被覆を解体することなくタンク脚柱の腐食状態を把握し、脚柱の腐食の進行度合いに応じて実施する工事を分類しました。

これにより、効率的な工事スケジュールが策定でき、脚柱の腐食の補修工事と耐震補強工事を予定通りの工期と予算で完了。工事が計画通り進んだことで、前年のような工期の延長や追加の人員手配、追加費用といった無駄も省けました。

被覆の解体前に脚柱の腐食状態を把握でき、効率的なスケジュールで工期・費用の無駄を削減

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