最新のガイド波システムでは、ガイド波を“フォーカス”することができるようになっています。フォーカス機能とは、ある「特定の距離および角度」(=フォーカスポイント)に超音波を集めることができる機能です。例えば、センサーから5.3m先の45°(9時の位置)にガイド波のエネルギーを集中させ、1ショットのデータでは、そのフォーカスポイントのみを評価します。これを45°ずつ順次ずらしながら検査を実施していきます。
フォーカス機能が開発されたことにより、ガイド波配管検査の欠陥評価方法が充実しました。具体的には、従来からのLモード、Tモードの全面探傷により、異常箇所の振幅値(振幅カテゴリー:異常箇所の断面欠損率に比例)による評価を行います。フォーカス機能による診断では、腐食エリアの広がり(フ ォーカスカテゴリー)を評価します。これら二つのパラメーターから、総合的に欠陥の評価を実施します。
振幅カテゴリーは、下図に示すように振幅値に閾値を設定し、反射波の振幅の大きさから三つのカテゴリーで評価します。
一方、フォーカスカテゴリーはフォーカス機能の測定結果をポーラ図で表したものです。線が外側にあるほど、その角度での反応が強いことを示しています。フォーカスで強い反応が得られている角度幅の大きさで3つのカテゴリーに分けられます。
一方、フォーカスカテゴリーはフォーカス機能の測定結果をポーラ図で表したものです。線が外側にあるほど、その角度での反応が強いことを示しています。フォーカスで強い反応が得られている角度幅の大きさで3つのカテゴリーに分けられます。