この診断システムには、宇宙・航空工学で利用されているリングレーザージャイロ(方位診断器)を使用します。その解像度はスペースシャトルや航空機に使用されているものと同等の4μm/mで、非常に高精度です。
リングレーザージャイロとは、基本原理としてサニャック効果を利用したものです。光路中を進む光の速度が光路の運動に関係なく一定であることから、光路(この場合ジャイロ)の動きによって光路の長さが変わったかのように見え、干渉が生じる現象を利用しています。
測定は、ロール表面を滑らせる(またはロールに固定しロールを回転させる)ように行います。この測定方式をスウィープ測定モードと呼びますが、スウィープ測定モードでは20°以上の範囲を測定できれば高精度の結果が得られます。この測定でロール(Roll)・ピッチ(Pitch)・ヨー(Yaw)量を同時に測定します。
診断時間はロール1本当たり1~5分と、従来技術と比較して圧倒的な時間短縮が見込めます。不織布の製造設備でも、40~80本、アルミ薄板の製造設備などでも100本/日程度の診断実績があります。
診断に必要なものは、診断器本体と診断データを記録するノートPCのみです。本体とPCの間はBluetoothで通信するため、ケーブルも不要で非常に機動力があります。