フレアロスサーベイとは | TTS

診断サービス

バルブの内漏れを網羅的に検査してフレアロスを最小化

石油精製、石油化学を始めとする多くのプラントでは、様々な流体を取り扱って生産を行なっています。生産の過程で発生した余剰ガスや廃ガスは可燃性有毒ガスを含み、そのまま大気に放出すると爆発の危険性や周辺の環境汚染につながる恐れがあるため、フレアスタックと呼ばれる焼却処理施設に導き無害化しています。

実は、このフレアスタックに流れ込む流体は余剰ガスだけとは限りません。

フレアスタックにつながる配管を辿ると、生産に必要な製品として出荷される流体が流れており、通常は、安全弁や各種バルブが閉弁機能することでフレアスタックへの流出を遮断しています。しかし、弁部のエロージョンやゴミ噛みなどにより末端バルブの閉弁機能が十分に発揮できていない場合、生産流体は、そのままフレアスタックに流出してしまうことになります。これらの生産者の意図しない内漏れ(ロス)は、製品および生産機会の損失に直結するだけでなく、可視炎が大きくなり周辺住民に不安を与えるなど、周辺環境への影響も無視できません。

バルブの内漏れで、お悩みはありませんか?

バルブの内漏れを発見できれば、多くの課題が解決

診断対象は次のようなバルブ類になります。

バルブが内漏れをすると、主に次のような問題が発生

周辺環境への影響: フレアスタックの可視炎が大きくなる

  • フレアスタックの炎が大きく、地域住民から苦情が来ている。周辺環境に及ぼす影響を心配している。
  • フレアスタックの炎が大きい、あるいは色が正常でないが、原因となるバルブが特定できない。

生産損失:プロセス流体の流出による生産物/生産機会の損失が発生する

  • バルブの内漏れによって製品ロスが発生している。
  • 製品ロスをなくすことで省エネを推進したい。
  • 生産の見込み量と出荷量に大きな差が生じているが、原因となるバルブが特定できない。

操業リスク:想定外のリークによる突発事故の可能性

  • プロセスタンク/タワー等の内圧を適性値にキープできず、安定して装置を稼働できない。

放置できないバルブの内漏れ

フレアにつながるバルブは数千個オーダーになることから、管理するのは至難の業です。また、内漏れは外漏れとは異なり、外観から異常を判断できる場面も限られています。このような理由から、「日常パトロールで気にはしているが、十分な管理が行き届かない」というお悩みをお聞きします。

放置できないバルブの内部リーク

しかしながら、バルブが内漏れした場合のロスを簡易に見積もっただけでも、そのインパクトは大きく、なかなか無視できるものではありません。例えば、2,000箇所の中から50個の内漏れバルブを見つけたとします(※1)。50円/ℓの製品が、たった0.05ℓ/min程度の漏れを発生させていたとします。0.05ℓとは、スプーン大さじ4杯分より少ない量です。この程度の量でも年間で見ると約6,500万円(50箇所×50円/ℓ×0.05ℓ/min)のロスが発生させていることになります。この漏れに気付くことなく、2年、3年と放置すると、ロス金額も2倍、3倍と膨れ上がります。このようにフレアロスを削減することは、周辺環境への影響を少なくするだけでなく、経営の観点から見ても見逃せないテーマではないでしょうか。

放置できないバルブの内部リーク(フレアロスによる年間のロス相当金額)

従来の診断方法と問題点

フレアラインのバルブの内漏れ診断は、流量計が2次側についてない限りは、五感に頼った診断がほとんどです。例えば、次のような異常があれば漏れとして判断することができます。

従来の診断方法(バルブの内部リーク)

しかしながら、リアルな現場では様々な流体が生産工程に応じた様々な状態で複雑に配管施工されているため、五感に頼った診断では全ての異常を発見することができません。例えば、以下のようなシチュエーションが重なると発見することがとても困難になります。

五感に頼った診断では全ての異常を発見することができません(バルブの内部リーク)

当社の診断実績を分析すると、五感でも発見できていたと考えられるロケーションは、発見した漏れ箇所の35%程度ですが、残りの65%は五感だけでは判定ができないという結果になっています。

フレアロスサーベイの特長とメリット

特長

TTSのフレアロスサーベイでは、次のような特徴があり、上記のような従来検査の課題を克服しています。

  • 内漏れが発生した時に発生する、人の聴覚では聞き分けることのできない超音波を利用しています。また、超音波だけでなく配管の表面温度も測定し、超音波と表面温度などを組み合わせた判定ロジックにより精度を向上させています(※2)。
  • 超音波を検出しているため、流体組成の状態を問わず、液体・気体のいずれの特定も可能です(※3)。
  • 周辺のノイズは受けずにプラント操業中も診断が可能です。
  • 機器及び周辺情報(28項目)および診断結果を記録しデータベース化。診断後の分析、およびアクションが効率的にできるレポートをご提出します。
  • 該当機器にはRFIDタグを取り付け、機器のコンディションを継続的にモニタリングすることが可能です。

※2:診断員は、ライセンスを取得した診断員をアサインします(判定ロジックは特許取得済)。
※3:現在は、Good(正常)、Caution(要注意)、Leak(漏れ)の3段階評価です。流量の定量化についても、現在、開発中です。

フレアロスサーベイの特長とメリット

メリット

上記の特長より、以下のようなメリットをご提供できます。

  • 流体組成の種類と状態を問わず、プラントにある数多くのバルブの中から内漏れしているバルブを絞り込みます。
  • 網羅的に検査することにより、数千万円単位のロス削減に繋がります。
  • 専用のデータベースを構築して網羅的に検査することで、設備の管理レベルも向上するだけでなく、各バルブのロケーション情報および診断結果をご提供することで、診断後の保全アクションを効率良く実施することができます。

フレアロスサーベイの診断方法

フレアロスサーベイに向けて

フレアロスサーベイを効率的に行うためには、お客様に次のご準備をしていただく必要があります。

  • 診断対象機器リスト
  • P & ID図
  • 平面図

また、診断当日は、お客様にもご同行いただき、ロケーションのご案内が必要です。

網羅的な診断の実施

リストアップされた機器情報をもとに、網羅的に診断を実施いたします。診断時には測定値の取得だけでなく、補修などに必要な各機器情報も取得してデータベースを作成いたします。1日に測定できる数はおおよそ30箇所です。しかしながら、2巡目以降は機器及び周辺情報が既に入力されているため倍以上の診断を実施することができます。

診断レポートのご提出

機器ごとに管理番号(RFID管理タグ)を付与しロケーション・流体・機器・運転情報および診断結果をタブレット端末に記録します。診断後は集約し、速やかに診断結果をご報告いたします。

 

フレアロスサーベイの診断レポート

フレアロスサーベイの診断レポート

フレアロスサーベイの診断レポート

フレアロスサーベイの診断レポート

フレアロスの削減を効果的に進める上で重要なポイントとは?

網羅性と実施のタイミング

フレアロス診断では、フレアラインに繋がる末端バルブを 網羅的に診断することを推奨しております。

網羅的に診断した場合において、内部漏れが発見される確率は2~3%程度(国内実績)です。しかし、圧力法規を受ける装置など絞られた対象だけを診断すると、その対象は問題がなくても、他のラインからの漏れを見逃している可能性があり、ロスを最小化するという目的においては、効果が薄れてしまいます。設備の劣化が常に進行する中で、ロスを最小化するためには、圧力法規に関わる機器だけでなく、そのバイパスバルブ等を含めた機器を抜けなく網羅的にスクリーニングすることが重要です。

一方で、初回からプラント全域を検査するというのは、難しいという声もお聞きします。そこで、導入時には炎の状態からエリアやラインを絞り優先的に検査するなど、効果的な診断の進め方についても診断前にご提案させていただきます。圧力法規の有無に関わらず、事前の情報から診断箇所をご提案し1次スクリーニングすることで、15%に近い不良率となった実績もあります。

そこで、フレアからの炎の状態をお客様より共有いただいた上で、そのフレアスタックに繋がるエリアやラインを優先的に検査するなど、効果的な診断の進め方についても診断前にご提案させていただきます。

ベストタイミングは、プラントの定期整備前

たった1つのバルブからロスが発生するだけでも、大きな費用対効果が見込めるものの、いざ、フレアスタックに繋がる末端バルブが内漏れしていることを見つけたとしても、プラント運転中に交換するためには関係部署との調整等、多大な労力がかかります。また、生産のタイミング的に止めることが出来なかったり、該当の機器・バルブが溶接で火気工事となり整備・交換といった保全がTimelyに出来ないことも考えられます 。

一方、定期整備前に不良になったバルブがどれか分かれば、修理依頼や交換部品の調達を余裕をもってできて、定期整備中には修理および交換が出来るため、スムーズに検査から保全までの仕組みが回り、効率的にフレアロスの削減に繋がります。

フレアロス診断サービスでは、発生している超音波の大きさから、最小の流量値を参考値として表示することができるようになりました。これにより例えば、流量から算出されるロス量と、補修にかかるトータルコストを比較していただき、すぐに対処すべき不良なのか否かを判断していただくこともできます。

 

気になったタイミングもベストタイミング

漏れ量の大きさや重要度によっては、定期整備を待たずして緊急処置(交換・整備)が行われるということもあるようです。実際に、日常の五感パトロールでは異常がなかった安全弁が、弊社の診断にて漏れとなった結果、設定圧を大きく下回った圧力で昇圧不能(漏れ大)が確認された、運転トラブルの未然防止に繋がった事例もあります。

また、プロセス流体は多くの種類があり、生産・処理方法も多岐にわたります。流体やロケーションによっては、日常の点検では判断が難いため、フレアの可視炎が大きい生産処理能力や圧力計等に異常が起きてからローラー作戦で異常箇所を探し回っている(これも時間がかかる・分からない)といったお声もお聞きします。そういった其々のお客様の抱える問題点に対しては、隔月で定期モニタリングというのも診断のベストタイミングと言えるでしょう。

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