ある化学工場様では、建設以来スカート部の鉄皮の健全性評価を実施したことがありませんでした。しかし、一部の耐火材の割れから大きな損傷が見つかり、急遽全数を対象とした検査が必要となりました。
対象は約300基あり、それら全ての健全性を早急に評価する必要がありますが、優先順位付けや生産計画との折り合いなどクリアすべき項目が多く、一人の担当者がかかりきりになってもマンパワーが足りません。
「少ない人員でできる、効率の良い方法は何かないか?」とTTSにご相談をいただいたので、従来のジョブフローを教えていただき、整理してみました。
従来のように、詳細検査を行う場合は、1次検査の準備・実施・評価、定期整備時の2次検査の準備・実施・評価と、そこに必要となる各種付帯工事の準備やハンドリングまで、一人のご担当者が主導しておられ多くの時間を割かれていました。新たなスクリーニング技術の導入に際し、以下の2点に焦点を絞り、フローを見直すこととしました。
今回導入いただいたスクリーニング技術は、装置が運転中でも耐火材を解体せずに、鉄皮の金属腐食をスクリーニング検査できるPEC(パルス渦流探傷)です。地上6mの高さまで専用のポールにより計測が可能となり、足場の付帯工事費用のコストダウンも狙えます。そして、事前にご担当者とのミーティングで確定した、次のアクションの判断ができるまとめ方で資料をご提示。ご担当者の判断にかかる時間を短縮することができました。
ご担当者と共通のゴールを目指して確認と提案を繰り返し、同じ目線で管理の仕組みと業務の流れを見直しました。その結果、とても多くの管理対象に対して、スクリーニングを導入する際に必要となる業務をTTSがサポートすることにより、ご担当者は全体の流れを把握した上で、必要なポイントで次のステップへの進め方を判断する業務に集中できるようになりました。これにより全体的な業務の効率化を図ることができました。
更に、300基のタワースカート部を対象に、メンテナンスの優先度と裏付けのロジックを設定し、管理方法の仕組みの土台を一緒に作って行くことができました。
「単純にマンパワーの補填ではなく、プロジェクトの目的を共有して的確な方法を提案していただき、共に進めることができました。300基の管理方法の方向性が見えてきたので、今後もPDCAを回せそうです。」
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