抄紙機ウェットエンドのプレスロール | TTS

診断事例

ロールの平行度診断

抄紙機ウェットエンドのプレスロール

課題消耗部品の寿命が短く、コストと設備停止時間が増加

pallalign_1505_08_01新聞印刷用紙を生産している抄紙機ウェットエンドの下部プレスのフェルトが、わずか2週間の運転で、顕著に収縮していました。両方のラテラルエッジがフェルトの幅を減少させていたため、フェルトの寿命が劇的に短くなってしまい、通常、フェルトの寿命は5週間程度であるのに対し、2週間の運転でフェルトを交換しないとならない状態でした。

そのため生産部門では、予備品の増加に加え、設備停止時間の増加が課題となっていました。右図1はウェットエンドの図ですが、この多階層構造の環境では、光学システムを用いた計測システムは計測に多大な時間を要し、また追加でミラーやプリズムなどの機器が必要となるため、高精度な平行度測定が不可能でした。

 

対策測定時間が短く結果が見やすいパララインで高精度に平行度を測定

パララインの、圧倒的な測定時間の短さと測定結果の見やすさが生産管理部門に認められ、平行度計測サービスとして採用されました。また、パララインのもう一つの利点として、ロール同士や他の外部基準線に通視線が必要ありません。そのため、全てのロールに対し、精度の低下なく平行度が測定できます。計測後すぐに、パラライン測定結果の側面図により平行度のずれ量が確認できるため、素早い修正作業も可能です。

効果平行度のずれを修正し、部品寿命が計画通りに伸びた

下部のプレスロールを基準ロールに選定して、パララインにより平行度を測定し、ずれ量はその場で修正されました。修正作業の結果も、その日の内にパララインによる再測定で確認されました。

平行度修正後は、下部プレスのフェルトは、収縮が全く発生しなくなったため、計画どおりの製品寿命に戻りました。下図は、平行度修正前後の側面図です。ロール平行度が明らかに改善されているのが確認できます。

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