プラント構内の埋設配管の腐食調査 | TTS

診断事例

付帯工事・前処理なく金属腐食をスクリーニング

プラント構内の埋設配管の腐食調査

課題プラント構内の埋設配管の健全性を把握したい

外面被覆(防食テープ・ポリエチレン被膜)の解体・復旧は手間がかかり、腐食のリスクを発生させてしまう

プラント構内の道路の地下に埋設されている2本の配管サイズ20B(外径約530mm)の廃液配管は過去に漏洩が発生したことがあり、そのために配管の健全性の把握が求められてきました。しかしこの配管は場所を変えて部分的に何回も更新をしていることから、配管全体の状態が把握できなくなっています。そのため漏洩リスクを把握するためにも配管全体を調べる必要があるのですが、道路の掘削や通行止めの時間と手間と予算を考慮すると、従来法で実施することが難しく先延ばしになっていました。今回、検査する箇所を各更新時期ごとに10箇所に絞り込んで検査を実施することで、代表値を把握し健全性の評価を行うことになりました。

プラント構内の道路の地下に埋設されている配管の診断

検査は構内の道路を掘削後、カルバートの蓋をクレーンで撤去。このお客様は、カルバート内部に電気防食用の土壌が施工されていたため、配管を傷つけないように内部の土を手掘りで除去しなければなりません。しかも配管は腐食を防止するために防食テープやポリエチレン被膜で覆われているため、外面被覆を解体して裸配管にしないと目視での診断はできません。この解体時に配管の減肉している箇所を傷付けて漏洩を発生させるリスクがあります。また診断後に復旧する時も外面被覆を注意深く丁寧に復旧しないと、配管に付いた土と防食テープの間に隙間ができてしまい、そこから侵入した水分によって配管外面が腐食してしまうことがあります。そのため外面被覆の解体・復旧することなく検査できる方法を探していました。

診断後に復旧する時も外面被覆を注意深く丁寧に復旧しないと、配管に付いた土と防食テープの間に隙間ができてしまい、そこから侵入した水分によって配管外面が腐食してしまうことがあります。

また外面被覆を解体した場合でも、狭いカルバートの中では配管の下側から目視で確認することは困難です。そのため土を除き、外面被覆を解体した配管であっても周の下半分の状態を確認することができないことから、目視以外の検査方法への見直しが求められていました。

外面被覆を解体した場合でも、狭いカルバートの中では配管の下側から目視で確認することは困難です

対策外面被覆の解体が不要なPEC(パルス渦流探傷)による金属腐食のスクリーニングを実施

外観の目視検査からPEC(パルス渦流探傷)による検査(スクリーニング)に変更

外面被覆の解体・復旧が必要な外観の目視検査ではなく、外面被覆の上から検査しても配管の腐食状態が分かるパルス渦流探傷検査 PEC(Pulsed Eddy Current)による検査(スクリーニング)を試してみることにしました。PECの診断結果から特に腐食が進行している箇所のみ部分的に外面被覆を解体して、目視で実際のその腐食の状態を確認することも実施します。

効果外面被覆解体の手間や腐食のリスクを削減しただけでなく、配管全周の確認も可能に

外面被覆を解体することなく、プローブを上から当てるだけで診断が可能に

カルバートが狭くて目視では配管の下側の確認が困難であっても、PECのプローブを配管の下側に当てることができれば測定ができます。

カルバートが狭くて目視では配管の下側の確認が困難であっても、PECのプローブを配管の下側に当てることができれば測定ができます

診断する1箇所につきカルバート内の土を2m除去したスペースで、周方向で12点、軸方向で10点の測定を実施できました。

診断する1箇所につきカルバート内の土を2m除去したスペースで、周方向で12点、軸方向で10点の測定を実施できました

外面被覆を解体する必要がありませんので、外面被覆の復旧時の不手際によって作られた防食テープの隙間から侵入した水による腐食が発生するリスクを気にすることなく、かつ解体・復旧に要する作業時間も不要なことから大幅な時間短縮も実現できました。

お客様の声

プラントの構内の道路の地下に埋設されている排液配管の状態を把握するための作業は、通行止めにしての掘削、外面被覆の解体・復旧など大変なことばかりです。そして苦労して実施しても、配管の下半分の状態が確認できなかったり、外面被覆の解体・復旧が原因で新しいリスクが発生してしまうなど、悩まされてきました。 TTSさんにPECでの診断を依頼することで、検査部分の配管全体の状況の把握と外面被覆の解体のリスクの回避および工期の短縮が実現し、大変助かっています。構内の他の埋設配管はもとより他の事業所にも紹介したいと思います。

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埋設配管の健全性把握:20分37秒

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