各プラントにおける腐食、エロージョンなど、配管全体の内外面の減肉部分を長距離超音波により検出・特定することで、減肉リスクの 有無とその発生場所を絞り込みます。1箇所にセンサーをセットするとセンサー前後の数十メートル間をスクリーニング(広域の粗診断)できるため、センサーの取り付け箇所を順次移動していくことで長距離配管の全面スクリーニングが可能です。
配管全体のコンディションが掴めるため、本当に危険な異常箇所に対策を施すことができ、漏えいリスクを低減します。また、スクリーニングで特定された異常箇所に限定して、従来手法による詳細な評価や補修を行えば、トータルでの検査・メンテナンス費用も抑制できます。
配管全体を伝搬するガイド波は、減衰が従来の超音波よりも遙かに小さく、一般的に有効な検査範囲は数メートル~数十メートル。実に、従来の方法の数十倍の距離を一度に検査することができます。
1箇所にセンサーをセットするとセンサー前後の数十メートル間の配管の内外面をスクリーニング(広域の粗診断)することができるので、センサーの取り付け箇所を順次移動していくことで効率よく検査のカバー率を大幅に上げることができます。
ガイド波での診断は、様々な用途・条件にフレキシブルに対応できます。検査適用可能な条件は以下の通りです。
配管サイズ | 1.5~36B(40~900A)※38B以上は要相談 |
配管表面温度 | -25~+125℃ ※オプションで+240℃まで対応可能 |
配管材質 | 炭素鋼、ステンレス、各種合金 |
表面処理 | センサー取り付け部のみ断熱材の取り外し(断熱配管)、表面は3種ケレン程度(塗膜の除去は不要) |
運転条件 | 内部流体(液体、気体)はそのままで運転中の検査が可能(上記温度範囲内の場合) |
一箇所から長距離の配管全体を迅速に検査できるという特長があり、次のような配管検査が可能です。
更に、TTSが使用しているガイド波検査システム(Teletest)には次のような特長があります。
配管を全て露出させる必要がないため、保温材の取り外しや掘削、足場等の準備費用が削減できるだけでなく、診断の期間も短縮できます。
ガイド波による配管診断 | 全面詳細検査(全解体・VT・UT) | 外観目視+部分解体検査 | |
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検査期間 | ○ | × | ◎ |
検査費用 | △ | △ | ○ |
付帯工事費用 | ○ | × | ◎ |
検出精度 | 外面:○ 内面:○ |
外面:◎ 内面:△ |
× |
検査カバー率 | ○ | ○ | × |
新開発のモニタリング用固定型センサー(Permamount:オプション)は、センサーを配管に永久的に固定し、人がアクセスしやすい箇所にケーブルを伸ばしておきます。これにより、定期的な配管コンディションのモニタリングが、以下のように低コストで高精度に行えます。
診断完了後には、診断レポートを作成・提出します。レポートには、異常箇所の詳細位置を明記し、検出した減肉の振幅値(振幅カテゴリー:異常箇所の断面欠損率に比例)と腐食エリアの広がり(フォーカスカテゴリー)から総合的に欠陥の評価をします。腐食の場所や程度が一目でわかるため、診断後の詳細検査や補修の優先順位づけや実行が容易になります。