レーザープーリー芯出し器活用事例 | TTS

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レーザープーリー芯出し器活用事例

突発故障による生産機会損失

機械が突然停止することによる生産機会損失は修理費の数十倍にも上ることがあります。生産機会損失の話題はオペレーターによる振動管理で突発事故ゼロを実現でも触れましたが、クリーンルームなどの空調設備ではベルト切れも突発停止の要因になり得ます。

今回は半導体工場の空調設備でレーザー技術を用いて年間10件のベルト切れトラブルをゼロにすることに成功した事例をご紹介いたします。

半導体など電子デバイス製造工程における室温と湿度をコントロールする空調設備は、製品品質に影響をあたえる重要設備です。しかも生産は24時間連続で行われており、少なくとも6ヶ月間のノントラブル運転が要求されます。もしこの空調設備の駆動Vベルトが突然切れて室内環境が変化すると、製品歩留まりが悪化するだけでなく、メンテナンスのために生産を一時停止することになれば、その損失は数千万円に及ぶことがあります。

従来のプーリーアライメントの問題点

ph-01空調機はファンをプーリーとVベルトを介してモーターで駆動しています。このプーリー間のアライメントには定規や糸が使われ、オフセットと左右の傾き、上下の傾きがないように調整していくのが一般的ですが、プーリー間が隔たっているので測定や調整を一人で行うのは困難でした。またオフセットや左右の傾きは確認できても、糸や定規を使う限り、上下の傾きを確認することができませんでした。

 

予想以上に進行しているプーリーベルトの劣化

アライメントが正確にできていないと、キュルキュルというベルトのこすれる異音や振動が発生し、プーリーが偏磨耗します。また発生する摩擦熱のためにベルトが硬化して割れやすくなり、最悪の場合は運転中のベルト切れにつながります。

これまで、この半導体工場では1年間で10件のベルト切れが発生していました。また連続運転を確保するため、切れなかったベルトも毎年全数交換していましたが、1年間の使用後、ベルトを裏返して力を加えてみると切れてしまうものが数多く見られました。

さらに3年間で対象台数の54%(80台)の空調機でプーリーそのものを交換しており、正確なアライメントができていない状況であったと言えます。

一人でも作業可能なアライメント器

このような重要な空調機のプーリーのアライメントを正確に、一人でも作業できるように開発されたのがレーザープーリー芯出し器「プラライン」です。

プララインのプーリーへの取付は本体側面の磁石を使用し素早く、簡単に行うことが可能です。線状の赤色可視レーザー光とターゲットの白線を比較することでアライメント状態が確認でき、ミスアライメントが一目瞭然です。修正作業はレーザー光と白線の一致状態を確認しながら行えるのでプーリー間が離れていても一人作業が可能です。簡単に、素早く、誰でもアライメントが行えるツールです。

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プーリーのミスアライメントの状態とプララインの表示

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