工事業者様にレーザー軸芯出し器が愛用される理由 | TTS

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工事業者様にレーザー軸芯出し器が愛用される理由

ポンプの整備時間を短縮できる芯出し器

レーザー軸芯出し器を使用する利点の1つに「作業時間短縮」があります。これは、計測を行った時点で修正量が把握できるためで、このことが作業全体に大きな影響を与えます。今回はその一例をご紹介します。

工場設備で最も頻繁に整備されている設備はポンプではないでしょうか。毎日どこかでポンプが計画的に整備され、あるいは緊急でメカニカルシールやベアリングの交換が行われ、芯出しされているといっても過言ではないでしょう。

このようなポンプ整備の請負業者として、レーザー軸芯出し器を使用されているM社様の事例です。

レーザー軸芯出し器導入以前

M社様が実施する整備は分解・部品交換を伴い、まず以下の作業を行います。

  1. カップリングの結合を解いて、ポンプとモーターを切り離す
  2. ポンプは自社工場に持ち帰って部品交換や整備を行う
  3. モーターは専門の業者に依頼して整備を行う

これらの作業は朝から始めて通常午後3時頃までかかるため、据え付け芯出しはこの後5時までの2時間で終了させる必要があります。終わらなければ残業または翌日作業となり、それは極力避けようと、安心して任せられるベテランが作業を行うことが多くなります。続いての作業は以下です。

  1. ポンプとモーターを据え付ける
  2. カップリングの芯出し作業を行う

芯出し作業の際、そのままで芯が出れば良いのですが、そうでない場合に、いざ芯出しを始めてから困った事態になります。

芯出し作業の最中に、修正に必要な厚さのシムが入っていなかったり、横に動かそうとしてボルトがモーターのボルト穴に当たり、それ以上動かすことができなかったりすると、作業を予定時間内に終えるのは絶望的になります。その結果、残業あるいは翌日に繰り越すことがありました。

レーザーを使った芯出しで作業がスムーズに

レーザー軸芯出し器を使えば、ポンプやモーターを取り外す前に、カップリングを繋いだ状態で短時間に芯出し測定を行い、修正量まで分かります。

カップリングを繋いだままで芯ずれ、面倒れを測れるのはレーザー軸芯出し器だけの特長です。また、計測すると同時に修正量が自動計算されるので、ダイヤルゲージのような手計算も必要ありません。

整備前の測定で修正量を把握しておくことで、例えば、モーターを下げなければならないのにシムが入っていない、右方向に動かさないといけないのにボルトが当たりそうだ、などと事前に予見できます。

これにより、ポンプ側にシムを入れ、上げておいたり、モーターの固定ボルト穴を広げておいたり、といった事前の準備が可能となります。また、通常使用しないような、数ミリ厚のシムが必要になる場合は、芯出し作業にかかるまでに入手しておくこともできます。

芯出しをスムーズに進めるための事前準備が、2時間という限られた時間内での作業完了をより確実にします。しかも、作業者がベテランでなくても、事前にレーザー軸芯出し器の操作を習得しておけば、誰でも確実に芯出し作業がこなせるそうです。

この芯出しの整備前測定は、シャットダウン工事、定期整備の時のように、一日に整備する数が5台、10台と集中する場合にも大きな威力を発揮し、芯出しが完了した台数は従来の1.5~2倍に増えたとのことでした。

レーザーを使った芯出しとダイヤルゲージとの作業効率の比較

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立会い確認省略で更なる高効率

レーザー軸芯出し器を用いた作業は、結果が自動的にコンピューターに記録され、いつでも確認することができます。測定結果の書き換えが不可能であるため、発注者との協議によっては、芯出し確認の立会いを省略できるケースがあるそうです。

確認者の立会いを受けるための待ち時間がなくなれば、ますます効率良く芯出し作業をこなしていくことが可能です。請負工事であればこのメリットは大きなものになります。

そして、これらの実績が評価され、エンドユーザー様から「レーザーによる芯出しを」と指名を受けることができ、他社との差別化も図れるとのことでした。

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